お代官と越後屋日記 3白川主水は尾田川のたび重なる要求に困り果てていた。「なんとか売り上げをあげろ」 「他の藩の売り上げもカウントせよ」 四国藩の現状をようやく認識した尾田川は 自らが左遷されてきた事にようやく気付いていた。 「関西藩に戻りたい・・」 売り上げという成績によってしか もはや大阪へ帰る道のない尾田川にとって 飄々とした性格の白川は邪魔以外の何者でもなかった。 四国藩の藩士にとってみれば、 尾田川の妙に数字に固執する態度が 自身の処遇にのみ固執しているように見え かえって仕事への意欲をそいでしまっているのだったが その姿を見てこの土地の風土や人間性に起因していると 考えているあたりが尾田川の甘いところであった。 続く>> ジャンル別一覧
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